鉄分の働きについて
人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。
生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質があり、無機質にはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、鉄分、硫黄などがあります。その中で今回は鉄分の働きについて紹介します。
鉄分は赤血球や筋肉の成分の一部を構成しており、肺から吸収した酸素を全身の細胞に運ぶ役割を担っています。また酵素の一部の成分としてエネルギーの生成にも関与しています。
1日に必要な鉄分の推奨摂取量は10歳未満は男女ともに6.0mg、11歳~17歳の男性は8.0mg、女性は6.5mg、18歳~65歳の男性は6.5mg、女性は5.5mgとなっています。尚、妊娠の初期や授乳期の女性の場合はさらに+2.0mg、中期~終期の女性の場合は+8.0mgを上澄みすることが望ましいとされています。また鉄分は過剰に摂取すると健康に被害が及ぶため、男性は50mg、女性は40mg以下とする上限値が定められています。
鉄分は1日の食事量が少ない方や食事バランスの悪い方に不足することがありますが、激しい運動による多量の汗でも不足することがありますのでご注意ください。
鉄分には動物性食品に含まれている「ヘム鉄」と植物性食品に含まれている「非ヘム鉄」の2種類があり、鉄分の体内への吸収率は「ヘム鉄」は10~20%、「非ヘム鉄」は2~5%程度であるといわれており、決して良くありません。また食虫や食後のコーヒー、紅茶、お茶は鉄分の吸収を妨げますので避けた方が良いでしょう。そんな中、鉄分はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が向上することが知られていますのでお勧めします。
鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血や低色素性貧血になることがあり、頭痛や動悸、無力感、食欲不振、作業能力の低下、手指の爪の変形などの症状が現れます。
鉄分をサプリメントで過剰に摂取すると、大人では便秘や胃腸障害などを起こしたり、亜鉛の吸収を妨げたげることがあります。また乳幼児では急性鉄中毒を起こしたりすることがあり、重篤すると死亡する場合もありますのでご注意ください。
鉄分を多く含む食品(食材100g中の含有量mg)
(1)動物性食品
・煮干し 18.0 豚レバー 13.0 シジミ 8.3 ビーフジャーキー 6.4 赤貝 5.0 ホッキ貝 4.4 牛レバー 4.0
・アサリ 2.2 ホタテ 2.2 カキ 2.1
(2)植物性食品
・アーモンド 3.3 納豆 2.8 小松菜 2.8 枝豆 2.7 サラダ菜 2.4 水菜 2.1 ほうれん草 2.0
・サニーレタス 1.8 高菜 1.7 春菊 1.7 ルッコラ 1.6