カリウムの働きについて

 人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。

 生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質があり、無機質にはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、硫黄、鉄分、亜鉛などがあります。その中で今回はカリウムの働きについて紹介します。

 カリウムは主に血液中のナトリウム(塩分)を体外に排泄して血圧を下げる働きがあります。その他には細胞への浸透圧を調整して細胞内の水分量を保ったり、細胞内液のPH(酸・塩基)を一定に保ったりしています。また、神経の伝達を助けたり、心臓や筋肉の収縮を調節したり、細胞内の酵素を調節するなど多岐に渡る働きをしています。

 1日に必要なカリウムの摂取量は18歳以上の男性は2500mg、女性は2000mg以下が推奨値とされています。但し、生活習慣病の予防を目的とした場合は18歳以上の男性は3500mg、女性は2600mg以下、また高血圧の予防を目的とした場合は男性・女性ともに3500mg以下が望ましいとされています。

 激しい嘔吐や下痢、あるいは利尿降下剤の長期使用によりカリウムが不足すると脱力感、筋力低下、食欲不振などが起こり、悪化すると骨格筋の麻痺を起こすこともあります。

 カリウムは過剰に摂取しても腎機能に支障がなければ尿として体外に排泄されますので問題ありません。但し、腎機能に支障がある場合は高カリウム血症となり、

四肢麻痺や心電図異常などを起こしたりします。

 カリウムを多く含む食品(食材100g中の含有量mg)

 カリウムは水溶性なので生で食すか、煮物等などは汁ごと食するのが望ましいでしょう。

 ・昆布 8200  干しひじき 6200  切り干し大根 3500  干しあおさ 3200  焼のり 2400  あんず 1300  さつま芋 980

 ・いちじく 840  蒸し大豆 810  ぶどう 740  ひきわり納豆 700  ホウレンソウ 690  干し柿 670  里芋 640  

 ・アボガド 590  枝豆 590  マグロ 450  豚肉(ひれ) 430  じゃがいも 420  鶏肉(ささみ) 410  カボチャ 400

 ・キーウイ 400  豚肉(もも) 370  バナナ 360  牛肉(もも) 320  鶏肉(もも) 290  梅干し 220  柿 170 

 ・絹ごし豆腐 150  木綿豆腐 110