カルシウムの働きについて

 人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。

 生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質があり、無機質にはナトリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、鉄分、硫黄などがあります。その中で今回はカルシウムの働きについて紹介します。

 カルシウムは身体の骨や歯の主成分として骨や歯の健康に重要な役割を果たすとともに、血液中に存在してホルモンの分泌を則したり、血液の凝固や筋肉の収縮、神経の伝達にも関与し、生命の維持に大事な働きをしている栄養素です。

 1日に必要なカルシウムの摂取量は18歳~29歳の男性は800mg、女性は650mg、30歳~74歳の男性は750mg、女性は650mg、75歳以上の男性は700mg、女性は600mg以上が望ましいとされています。但し、サプリメントなどで過剰に摂取すると健康に支障が出ることが報告されているため、男女ともに上限値を2500mg以下と定めています。

 人はカルシウムの摂取量が不足して血液中のカルシウム量が不足すると、自分の骨や歯のカルシウムを溶かして血液中のカルシウム量を一定に保つ働きがあるため、骨や歯が弱くなります。不足状態が続くと筋肉の痙攣やてんかんを起こしたりします。更に悪化すると女性では骨粗鬆症になり骨折しやすなったり、幼児では骨の発達障害を起こしたりします。

 カルシウムを過剰に摂取すると、高カルシウム血症や軟組織の石灰化、泌尿器系の結石、前立腺がん、鉄や亜鉛の吸収障害、便秘を起こし易くなります。

 カルシウムは食物含有量の20~30%しか吸収されないため、ビタミンDやビタミンKと一緒に摂取することをお勧めします。ビタミンDはカルシウムの吸収を向上させるだけでなく血液中のカルシウムを骨や歯まで運ぶ働きがあります。またビタミンKは運ばれたビタミンを骨や歯に取り込む働きがあるからです。

 カルシウムを多く含む食品(食材100g中の含有量mg)

 ・煮干し 2200  チェダーチーズ 740  ブルーチーズ 590  カマンベールチーズ 460  ワカサギ 450  モッツアレラチーズ 330

 ・油揚げ 310  塩昆布 280  鮎 270  がんもどき 270  モロヘイヤ 260  かぶ  250  しそ 250  厚揚げ 240  

 ・しらす 210  牛乳 130 エンドウ豆 130  ヨーグルト 110