ビタミンB12の働きについて

 人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。

 生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質(塩分等)があり、ビタミンB群にはビタミンB1,B2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B7(ビオチン)、B9(葉酸)、B12などがあります。その中で今回はビタミンB12の働きについて紹介します。

 ビタミンB12は赤血球を生産したり、脳と体内の細胞の情報伝達を正常に保ったりすることから抗貧血ビタミンあるいは神経のビタミンと呼ばれています。

更に酵素の働きを助ける補酵素としてアミノ酸や核酸及び葉酸の代謝にも関わっています。

 1日に必要なビタミンB12の摂取量は18歳以上の男性・女性ともに2.4㎍とされています。但し、妊婦の場合は2.8㎍、授乳中の女性の場合は

3.2㎍以上とされています。

 ビタミンB12は小腸で吸収される際、胃酸から分泌される成分を必要としているため、胃を切除された方や慢性胃炎の方は多目に摂取すると良いでしょう。

 ビタミンB12は水溶性ですので、過剰に摂取しても体内に蓄積することなく、尿として排泄されるため問題ありません。

 ビタミンB12が不足すると貧血(赤血球減少症)や不眠症及び手足のしびれや痛みがでる末梢神経障害や知覚異常、疲労、食欲不振、体力低下、便秘、体重減少などが起こります。更に悪化すると赤血球が作れなくなる巨赤芽性貧血(悪性貧血)になり、萎縮性胃炎や味覚障害、舌の痛みなど通常の貧血の症状に加え、消化器系の症状も起こります。

 ビタミンB12を多く含む食品(食材100g中の含有量㎍)

 ・しじみ 68  牛レバー 53  あさり 52  鶏レバー 44  豚レバー 25  カキ 23  いわし 16  さば 13  

 ・ししゃも 6.7  うずら卵 3.5  プロセスチーズ 3.5  パルメザン 2.5  モッツアレラ 1.6  カマンベール 1.3

 ・鶏卵黄 1.1