ビタミンB9の働きについて

 人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。

 生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質(塩分など)があり、ビタミンB群にはビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B7(ビオチン)、B9(葉酸)B12などがあります。その中で今回はビタミンB9(葉酸)について紹介します。

 ビタミンB9(葉酸)は赤血球の生産を助けたり、DNAやRNAの拡散やたんぱく質の生合成を促進して細胞の生産や再生を助ける働きをしています。よって、ビタミンB9は身体の発育に大きな影響を及ぼすことから特に胎児にとっては重要な栄養素であると言えます。

 1日に必要なビタミンB9の摂取量は18歳以上の男性及び女性ともに240㎍以上とされています。但し、妊婦の場合はビタミンB9が不足すると胎児の発育に問題が発生し、神経管閉鎖障害という病気になることが予想されますので妊婦の場合は440㎍以上としています。

 通常の食事では過剰摂取にはなりませんが、ビタミンB12が不足している状態でビタミンB9のサプリメント(プテロイルグルタミン酸)をを過剰摂取すると、ビタミンB12不足による悪性貧血の症状が出なくなり、.ビタミンB12欠乏症が悪化して重篤な病気である後外側脊髄変性を起こすことがあります。

 そこでビタミンB9の摂取量には次のような上限が定められていますのでご注意ください。

 男女ともに18~29歳は900㎍、30~64歳は1000㎍、65歳以上は900㎍です。

 ビタミンB9が不足すると大人では悪性貧血を発症したり、動脈硬化の危険因子が増加して動脈硬化が発症しやすくなったりします。成長期の子供は成長時に大量のビタミンB9を消費するため悪性貧血になることがあります。また胎児は正常な発育に問題が生じ、神経管閉鎖障害や無脳症を発病することがあります。

 ビタミンB9を多く含食品(食材100g中の含有量㎍)

 ・焼海苔 1900  鶏レバー 1300  牛レバー 1000  豚レバー 810  乾燥わかめ 440  菜の花 340  枝豆 320

 ・モロヘイヤ 250  切り干し大根 210  ホウレンソウ 210  アスパラガス 190  鶏卵黄 150  玉露 150  納豆 120