ビタミンB1の働きについて

 人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用している。

 生命の維持に必要な栄養素としては、ビタミンや無機質(塩分等)があり、ビタミンB群にはビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6(ピリドキシン)、B7(ビオチン)、B9(葉酸)、B12があります。その中で今回はビタミンB1の働きについて紹介します。

 ビタミンB1は体の中で糖質(炭水化物)がエネルギーに変換される際の酵素として働く重要な栄養素です。日本人はカロリーの約半分を糖質で摂取していますのでたいへん重要な栄養素であると言えます。また、ビタミンB1は手足の末梢神経や脳の中枢神経の働きを正常に保つ働きがあります。

 ビタミンB1は水溶性であるため、過剰に摂取しても体内に蓄積されることなく尿として排泄されるため問題ありませんが、体内に蓄積されないことから

毎日適量を摂取する必要があります。

 ビタミンB1が不足すると糖質の代謝がうまくいかなくなり、乳酸やピルビン酸などの疲労物質が体内に蓄積されて、筋肉痛や疲労の原因になります。

 糖質やアルコールを大量に摂取する人や、運動によるエネルギーの消費が多い人はビタミンB1欠乏症になり易いので注意してください。

 ビタミンB1が欠乏すると倦怠感や食欲不振、手足の指先のしびれ、膝蓋腱反射の消失(脚気)の症状が現れたり、脳の中枢神経まで侵されると手足の麻痺や意識障害を起こしたりします。

 ビタミンB1は水に溶ける性質があり、熱を加えると更に溶けやすくなるので、汁ごと食べる調理法が効率よく吸収されるのでお勧めです。

 

 ビタミンB1を多く含む食品(食材100g中の含有量mg)

 ・歌ひれ肉 1.32  豚もも肉 0.96  生ハム 0.92  ボンレスハム 0.90  豚ロース 0.80  豚肩肉 0.75

 ・鰻蒲焼 0.75  たらこ 0.71  大豆 0.71  煎りごま 0.49  小豆 0.46  落花生 0.41  鰹節 0.38

 ・玄米ご飯 0.16  ライムギパン 0.16  豆腐 0.10