ビタミンAの働きについて
人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。
生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質(塩分など)があります。ビタミンにはビタミンA、B、C、D、E、Kがあります。その中で今回はビタミンAの働きについてご紹介します。
ビタミンAは動物性食品に多く含まれているもので、皮膚や呼吸器(鼻、のど、肺)及び消化器(胃、小腸、大腸)の粘膜を正常に保つことができるため、身体の免疫力を高めて感染を予防する働きがあります。
またビタミンAは目が光を感じる上で必要な網膜の色素であるロドプシンの主成分となります。そのロドプシンは暗い場所でもわずかな光でも目が見えるようになる働きをしてくれるものです。
βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれており、体内で必要に応じてビタミンAに変換されるもので高い抗菌力を持つため、活性酸素を消して老化やガンを予防する働きがあります。
ビタミンAは過剰に摂取すると、体内に蓄積されて脳圧亢進症(嘔吐や頭痛)などの症状を起こす可能性があります。それに対してβカロテンは過剰に摂取しても問題ありません。
ビタミンAが不足すると、皮膚や呼吸器・消化器の粘膜が弱くなるため、感染症になり易くなります。また暗い場所で目が見えにくくなり、悪化すると夜盲症になります。更に子供の場合は成長障害を起こすこともあります。
動物性食品に多く含まれているビタミンAは調理法による体内への吸収率は変わりませんが、緑黄色野菜に多く含まれているβカロテンは体内への吸収率は
基本的にビタミンAの約1/3で、更に調理法によっては10%~60%程度に変化します。
尚、体内への吸収率を高める方法として、ビタミンAは脂溶性であるため油脂で調理して食べる。またβカロテンは温めて食べると吸収率が高まります。
ビタミンAを多く含む食品の含有量(マイクログラム)(食材100g中の含有量)
鶏レバー 14000 豚レバー 13000 うなぎ 2400 蛍ホイカ 1900 銀鱈 1500 牛レバー 1100
黒マグロ 840 バター 520 あなご 500 卵黄 480
βカロテンを多く含む食品の含有量(マイクログラム)(食材100g中)
干し海苔 3600 味付け海苔 2700 焼海苔 2300 しそ 880 モロヘイヤ 840 人参 740
乾燥わかめ 650 ホウレンソウ 450 春菊 440 干しひじき 360