たんぱく質の働きと種類について
人は食品(栄養素)を摂取して生命の維持や身体の構成・成長及び活動する際のエネルギーとして利用しています。
生命の維持に必要な栄養素としてはビタミンや無機質(塩分など)があり、エネルギー源として必要な栄養素は糖質(炭水化物)、脂質、たんぱく質があります。その中で今回はたんぱく質の働きと種類について紹介します。
たんぱく質は身体の構成・成長に最も重要な栄養素であり、エネルギー源としても使える栄養素です。
たんぱく質は筋肉だけでなく、内臓、髪の毛、骨、歯、爪及び血液、リンパ液、更には身体の機能を調整するホルモン、食物の消化・吸収に必要な酵素、光や味覚を感じるレセプターなどすべての生命現象に最も必要な栄養素です。生命現象とはものを考える、成長する、泣く、笑う、怒るといった日常の動作をさします。
人の身体は60%が水で、15~20%がたんぱく質、糖質3%、脂質2%、その他15~20%からできています。
そのたんぱく質は20種類のアミノ酸の様々な配合によって作られています。そのアミノ酸は体内で合成できない必須アミノ酸と体内で合成できるアミノ酸に分けられます。
体内で合成できない必須アミノ酸は食べ物から摂取する必要があります。よって必須アミノ酸の種類とそれを多く含む食品を紹介します。
・スレオニン(成長促進作用)・・・黒マグロや豚ロースの赤身、鶏胸肉、凍り豆腐、プロセスチーズ
・フェニルアラニン(体内で合成できるアミノ酸の材料)・・・牛レバー、黒マグロ、鶏胸肉
・メチオニン(体内で合成できるアミノ酸の材料)・・・黒マグロ、鶏胸肉、豚ロースの赤身、無調整の豆乳
・トリプトファン(体内でナイアシンに変換、セロトニンの材料)・・・牛レバー、豚レバー、カツオ、鶏卵、プロセスチーズ
・リジン・・・カツオ、マアジ、凍り豆腐
・ヒスチジン・・・カツオ、黒マグロ、マイワシ
・バリン(筋肉の作成)・・・黒マグロ、牛レバー、豚レバー、豆腐、プロセスチーズ
・ロイシン(子供の成長、大人の筋力維持)・・・カツオ、鶏胸肉、鶏卵
・イソロイシン(たんぱく質や筋肉の生合成)・・・黒マグロ、豚ロースの赤身、鶏卵
食事で過剰に摂取したたんぱく質は体内から排泄する必要があるため、腎臓に負担をかけることになります。よって腎臓機能に不安のある方はご注意ください。
一方たんぱく質が不足すると、体内のたんぱく質を分解して補うため筋力や免疫力が衰えたり、髪の毛や爪がボロボロにになったり、血管が弱くなって
脳卒中の危険性が増したりします。
たんぱく質を多く含む食品のたんぱく質含有量(食品100g中)を表示します。
・するめ 69.2g ・パルメザンチーズ 44.7g ・きなこ 35.5g ・イワシ丸干 32.8g ・いくら 32.6g
・焼たらこ 28.3g ・黒マグロ 26.4g ・キハダマグロ 24.3g ・カツオ 25.5g ・生ハム 24.0g
・鶏ささみ 23.0g ・鮭 22.5g ・プロセスチーズ 22.7g ・ブリ 21.4g ・豚ロース 19.3g
・卵黄 16.5g ・納豆 16.5g ・がんもどき 15.3g ・生卵 12.3g ・豆腐 6.6g